アークナイツのパッセンジャーってなかなか珍しいトーンの櫻井ボイスだよね、って話をしていたら、
全然関わりのない2箇所の知り合いから「アニゴジのキャラが近いトーンかもしれない」と同時に名前が上がったので見ました。

片方の知り合いからは「面白いかと言われると…」「声優の声だけ聞きたいならいいとおもう」とかなりハードルを下げられた状態、
もう一方の方からも「終わり方がちょっと…」との評判だったので、覚悟して見たんですが、言われているほどか…?
というくらい自分的には楽しめました。

というのも、件のCV櫻井キャラことメトフィエスが第三話(最後の話)でいきなり主人公を催眠にかけてぶっ飛んだ宗教の話をし始めるんですけど、
あそこで言ってる話がわりと好きなテイストで。
最終的にはみんな死ぬんだから、っていうところと、最後のピースは盲目的な信者ではなく精神的に強い英雄が自ら身を捧げること、とか
なによりまずそのためにだけ主人公のハルオをずーーーーーーーーーっと見守ってた、ってのが本当にじっとりねちこく重いのでよかったんですよね。

メトフィエス、主人公の友達として陰日向に支えて(ある意味では手塩にかけて育てて)、結局自らの手を離れていってしまう姉や母キャラに近い存在だったんですけど、
これを男キャラでやってくれたので絵面的に非常にありがたかった。
「種族の宗教の教義を体現するため」という大義名分があるためギリギリ腐媚びになってそうでなってないようなところが露骨すぎなくて良きです。
愛の強さと変換される前に気持ち悪さのほうが勝つんですが、多分に声優さんの力も大きい。
男の姉概念を声で体現できる人、なかなか居ないと思います。
精神干渉を行っている時に記憶の改竄がしれっと行われているところとか、純粋な善意マシマシなぶんよけいに気味の悪さがありました。
なんなら全ての仇ですらあるのに、ハルオはよく最後戦友が死んだ時みたいな反応を示せたものだなぁと。
ハルオを膝に抱えて精神洗脳を行う姿を、推薦者の一人は「ピエタ」と表現してましたがなるほど納得です。

問題だった最後のシーンも、ぱっと見「結果的に自ら死を選ぶ」という意味ではメトフィエスが言ってた「死を選ぶこと」と同じように見えて、
舞台装置として祭り上げられての死じゃなくてただの一人としてのケジメで死を選んだんじゃないかなという。
神を信じるほうに転んで死ぬ道を選ぶのも、「合一」って言ってたとおり結局は人間であることをやめる、ってことなんでたぶんそれは一番主人公的には許せないだろうなぁ。
なので、「生きていれば勝ち」と諦めることもできず、かといって「自身がいることでゴジラの起動、ひいてはギドラの再襲来に近づく」のを看過することもできず、
取った行動が自身の死をもってケジメ。そしてそれは遺された双子から見たら誠意のない態度でもあったわけで。
そこらへんの養護しようのない泥臭い人間臭さを尊厳だとするのなら「負けたからこそ守られた」のかもしれない。

ただまあ、怪獣はぜんぜん動かないので怪獣モノの映画として楽しいかと言われるとたしかに否だろうな…とは思いました。
破壊装置として高次元エネルギー体として喚び出されるギドラは割と好きなんだけどなぁ。
ゴジラもビーム吐いたりする程度だったのでもうちょっと派手にやってもよかったような。