おやつ時にマックでコラボのチキンタツタを食べてからGOしました。
一家言ある特撮・ウルトラマンの往年ファンからすると疑問の声が上る可能性はあるんじゃないかな、という気はしましたが、ニュージェネをいくつかかじった程度の自分はかえってめちゃくちゃ楽しめました。
元作品(?)をオマージュするところはしているけど、ちゃんと「2時間くらいで完結する映画」としての文法で進行していくので、元ネタの知識ほとんどない状態で見ても素直に楽しめるというか。
怪獣の出し方だったり、宇宙人の描き方だったりの画づくりから楽しく作ったんだろうなあ、というはっちゃけ感も伝わってくるのでよかったです。
あと、肝心の感情そのものを安っぽい言葉で叫ばせたりしてないのがすごくいいです。「人類を愛しているからなんだーーーー!」みたいなのがセリフで出てこなくて、「そんなにヒトを好きになってしまったのか…」という微妙なニュアンスでしか表現されない&「ああそうだ!」みたいな返事もないので、感情面の描写はとても硬派で好きです。
それ以外の場面でも「行動を見れば一発でわかる」けど、口に出して感情を言葉にしない、を結構露骨に感じたので、そこもすごく刺さりました。こういう不器用さが好きなんですよね。
それはそれとして、シンさんがマジモンの「無愛想な宇宙人」でちょっと笑っちゃった…
データ改ざんできるんやぞという脅しをぶら下げながら「友好宇宙人」を名乗るザラブとか、地球人のやり方なんて完全にマスターしてるけど?みたいな上から目線のドヤ顔しつつお会計で「おあいそ」とか通ぶってかえってかっこ悪いことになってるメフィラスとかも「あ~~~こいつら地球人に偽装してる宇宙人だあ~~!」ってオーラがムンムン出てて最高でした。
とくにメフィラスのキャラクター付けは、どうやっても悪いやつなんだけど、理知的で悪の爽やかさも備えているというか、どことなく好感を抱いてしまう魅力があって、方向性は違うんですがジャグラス・ジャグラーを彷彿とさせるというか。
最後に出てきたゾーフィ(ゾフィー兄さんとは別人なんだろうか)の「人類は自分たちのように進化する可能性があり危険なので処分する」という言い分も、ニュージェネ(というかトレギア絡み)で言及されていた光の国のいびつさ(裁定者自身の正しさは誰が証明するのか)に繋がるな~と思って見てました。
なので、あの「俺の命が擦り切れてもいいからこいつを生かしてやってくれ」の場面は、光の国の常識や掟からするとシンさんのやってることはマジで理解不能なんだろうけど、M78星人の根っこにある善の心、という意味ではシンさんはたしかにあの星の人なんだなぁというのを強く感じるいいシーンでした。
ニュージェネの子たちは「地球と手を取り合う事が前提となってる」時代なので、(今作もマルチバースの一つとして合算するなら)時系列的にシンさんはまさにその大前提の礎になったのかなと言う気がします。
人間ドラマの描き方などがニュージェネに比べると幾分大人向けではありながらも、怪獣とのバトルあり、人類が頑張るシーンもあり、見たい要所を押さえてある「令和の時代の空想特撮映画」という触れ込みに偽りのない良い映画でした。
そういえば、一緒に見た相方が「シン・ゴジラ」のシンは「神」のシンだけど、シン・ウルトラマンのシンはなんだろう、進化の「進」なのかもしれないと言っていたのが印象的でしたね…新時代、新機軸、真実、いろいろ解釈できるのは面白いなあ。