ふせったーでつぶやいた内容にさらに追記したものです
暁月6.0は結局どういう話だったのか
今更暁月6.0のメインクエに思うところが出てきたので書くんだけど、星と命の物語ってのは結局のところ怨霊の調伏と鎮魂の儀(宇宙規模)だったんじゃないかなと。
英雄譚としての側面を強く強調されてるし、実際ヴェーネスのあたりとかは英雄譚だなと思うんだけど、
どうしてもプレイ当時から「エーテル変質してしまった人々や、古代人が生み出してしまった厄災」のことを「獣」と呼んでいるところに引っかかっていて。
獣、というのは見た目と、襲いかかってくるからという理由だけであって、実際の性質としては「怨霊」や「鬼」に近いと思うんですよアレ。
というのも、メーティオンが先行く星々から受け取ってたどり着いた答えが「生を呪う」「みんな死ねば苦しむことも無くなるから幸せになれる」だったとことか、ラストバトルで出てきた「私たちは苦しんで絶えたのに、なぜお前たちはのうのうと生きているんだ」というセリフなどなどをみてると、それって「獣」であれば持ちようがない思考だなというのが多々あったんですよね。
終末の獣を誘発するトリガーとしての彼女たち自身は、怨霊による呪いとか、鬼(角はやした力持ちの妖怪的生物としてのオニではなく、死者の概念としての鬼)めいた印象が濃くて。
そもそも、虫であれ動物であれ、獣は死ぬ間際まで生を手放そうとはしないもの。
そしてヒトもそんな動物の一つでしかない。
そう考えると、6.0のストーリーは、高度に発達しすぎて「生は虚無である」という結論に達してしまった先行く星々に対し、エメトセルクいわく「なりそこない」の「獣のひとつでしかないちっぽけなヒト」が「死が隣人になるまで生を諦めない」という本能的・根源的な獣性を叩きつけに行った話であり、
それはまた滅んだ星、旅の中で呪いの集積装置として変貌を余儀なくされたメーティオンという怨霊の魂鎮めの儀式でもあったのだなぁ、という感想を抱きました。
「終末の獣」になりたくなかったら、野蛮で未熟で未完成な「ケモノ(=生き物)」であることを捨ててはいけない、ということなのかもしれない。
なんでこんなことを考えたかと言うと、6.0の展開に「死人がしゃしゃり出すぎている」と辟易していたフレンドがいて、私は古代人&宇宙パートに関して楽しめはしていたものの、たしかにその意見に同感する部分もあったので、
「じゃあなんで、そういう批判が出るかもしれないのを承知でこういう描き方になったのか」というのがずーっと魚の小骨のように引っかかっていたからなんですよね。
単に「古代人関連が人気出たから、たくさん盛り込めばウケると思った」みたいな理由で片付けてしまえるかもしれないけど、そこになにか裏があるとしたらなんだろうなぁ、みたいな。
で、考えた結果が「6.0は鎮魂の巡礼」だったんじゃないかな、という。
怨霊を鎮めるために神や祖霊の力を借りると考えれば、古代人や蛮神・死んでいるはずのキャラが出てくるのもすんなり納得がいくんですよ。
害をもたらす悪しき神(に近いもの)になってしまったメーティオンが、ヒカセンたちの調伏と鎮魂によって希望の唄を振りまく良き神となった、というエンディングの流れのあたりとか、ちょっと仏教説話っぽい要素も感じます。
「倒す」でも「わからせる」でもなく、エルピスの花を贈り旅の答え(生きる意味)を伝えること=本願を遂げさせて成仏させてやる、というのがまさしく怨霊を鎮める、無念を抱えた魂を慰撫することそのものなんですよね。
思い返してみれば、宇宙以外でもムーンブリダの両親とウリエンジェ、パパリモの父(サブクエ)、ラザハンのドラゴン関連(ニーズヘッグ)、アイティオン星晶鏡、フォルドラの話(ロールクエ)などなど鎮魂要素は結構散りばめられてるので、当たらずとも遠からずなのでは、と個人的にはこの妄想に満足しています。
ファンタジーやSFの世界を描いているように見せかけて、こういう要素を盛り込んでこられるとたまらんすね…
リンカネコラボの感想
あとあと、ニーアのスマホゲー(リィンカーネーション)のFF14コラボがめちゃくちゃエメおじメインだと聞いてやってみました。
漆黒のがっつりネタバレ&暁月のちょびっとバレでびっくりしました。ここまでガッツリやるんだ…
ヴェーネスにぶった切られて分割された新生後すぐの世界がどういう状態だったかというのはFF14本編では曖昧にしか語られなかったんですけど、コラボシナリオ内で「物語」という形式を取りながらも言及があったので小躍りしていました。
あくまでエメトセルク視点ではあるのですが、分断直後は言語も文化もない喃語を話すような生き物しか初めはいなかったようで、あんな完璧な世界からそんなところに叩き落された(しかも記憶は消されているのでヴェーネスがなぜ強硬にそうしたのか理解できないよう仕組まれている)となると、おぞましい/気持ち悪い/認められないとなるのもまあ、やんぬるかな…ってなりますね…